「五つのパンと二匹の魚」
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イエス様が、大勢の人たちを前にお話しをされたり病気や怪我を治したりしてるうちに、だんだん夕方になってきた。そろそろみんなお家に返してあげないと、人里離れた岸部は、暗くなったら今みたいに道路に街灯が点いてるわけでも、みんなも懐中電灯を持ってるわけでもなかったから、明るいうちにみんなを帰らせてあげようって、お弟子さん達は考えたんだろう。それで、イエス様に 「ここは人里離れた所で、時間もだいぶ経ちました。人々を解散させてください。そうすれば、周りの村や里へ行って宿をとり、何か食べる物を買いに行くでしょう。わたし達はこんな人里離れた所にいるのです。」 って、言ったんだ。 イエス様とお弟子さん達を追いかけて付いてきた大勢の人達って、さっきも言ったように聖書には大人の男の人だけでも5,000人って書いてあるから、実際には女の人や、付いてきた子ども達を合わせると10,000人〜12,000人ぐらいだっただろうって言われているんだ。12,000人という数は、梨花ホール(鳥取県民文化会館)が7個満席になる数。或いは、今みんなのいる、ここ岩美町の人口が14,200人だから、この町に住むの人たち全員が浦富海岸に集合したって感じかもしんないね。 さてさて、お弟子さんが心配するようにだんだん夕方になってきて、そろそろみんながお腹を空かせる時刻になってきました。イエス様とお弟子さんは近くの山に登って、夕食にパンを食べようと青い草の上に腰を下ろしたんだけど、山から見下ろすと沢山の人が帰らないでイエス様やお弟子さん達を待っているのが見えたんだ。さっきも話したように、そんなありさまを見たお弟子さん達が、イエス様に 「もう夕方になるし、集まっているみんなに、お家に帰るように言ってください。そうすれば自分たちで食べる物は何とかするでしょうから」 って言ったんだ。 イエス様は弟子のフィリポさんに 「この人達を食べさせるには、どこでパンを買えばよいだろうか」 って言われた。 するとフィリポさんは、 「ここにいる人が少しずつ食べるためにも、200デナリオン分のパンでは足りないでしょう」 って答えた。 |