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| さて、イエス様とお弟子さん達はガリラヤ湖畔で舟に乗って、保養地のベトサイダに向かうことにしたんだけど、それは今で言う社員旅行とか慰安旅行みたいなもんだったのかもしんない。お弟子さん達がみんなよく頑張ったから、温泉にでも浸かって少しゆっくりしようって考えたんだろうね。もっとも、ベトサイダに温泉はなかったと思うんだけど。兎に角、人のいない所に逃げて休もうと思ったんだ。 ところが、「イエス様に会いたい」、「会ってお話が聞きたい」、「病気や怪我を治して欲しい」っていう人が国中から大勢集まって来ていたんだ。その人達が、ガリラヤ湖の船着き場でイエス様とお弟子さん達が舟に乗り、ベトサイダに向かったらしいって聞いて、湖の岸沿いに追っかけて先回りしちゃったんだって。 イエス様とお弟子さんを乗せた舟がベトサイダのに着く頃には、岸はイエス様を待ち受ける大勢の人で埋め尽くされていたんだ。イエス様もお弟子さん達も人気のない所に逃れようと舟に乗ったのに、岸には人が鈴なりになっていて、本当ならガッカリする所なんだろうけど、イエス様の目にはそんな大勢の人が、飼い主を見失って彷徨っている羊の群れのように見えたんだね。可哀想に思って舟から岸に上がって神様のことを話したり、病気の人を治したりしたんだ。 本当なら、お弟子さん達と水入らずでゆっくり休みたかったんだろうし、殺された洗礼者ヨハネさんのことを悲しみながら祈りたかったんだろうけど、イエス様もお弟子さん達も自分達のことより、救いを求めて集まってきた人たちのことを大事にしてあげたんだ。 |
