週が明けて、また、日曜日がやってきました。教会学校の幼稚科の時間も近づいてきました。ちいろば君は心の中で
「エレクトーンおばさんと僕。今日の奉仕はどっちだろう?どう考えても、エレクトーンおばさんの方がふさわしいよね。どうか、エレクトーンおばさんが選ばれますように。
と、祈っていました。でも、そのように祈る一方で、
「僕の方が選ばれたい。」という思いを完全に拭い去ることはできませんでした。
「エレクトーンおばさんが選ばれた方がいい。・・・でも、僕も奉仕したい。」
ちいろば君の心は大きく揺れていました。
そうしているうちに、幼稚科の先生がやってきました。
「どっちが選ばれるんだろう。」
ちいろば君は目を閉じて下を向いて、静かに祈っていました。
 しばらく時が経って、ちいろば君は顔を上げました。すると、エレクトーンおばさんのスイッチがONになっていました。
「ああ、よかった。神様の御心の通りになったんだ。」
この時、ちいろば君の心の中のもやもやはすっかり晴れていました。そして、すがすがしい表情で、エレクトーンおばさんの奉仕が支えられるよう、教会学校の間じゅう、祈っていました。

 そのようにして、ちいろば君の働きの場は、ほとんどなくなってしまいました。

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