さて、ちいろば君の働きの場はほとんど教会学校の幼稚科だけとなりましたが、ちいろば君は小さなお友達といっしょに讃美できることがうれしくてしょうがありませんでした。毎週、土曜日になるといっしょうけんめい、神様にお祈りするのでした。
「神様、明日の日曜日もまた、いい奉仕をさせてください。あなたに喜ばれる奉仕を。」
幼稚科のお友達も、ちいろば君といっしょに讃美できることをとても楽しみにしていました。そのようにして、時は経っていきました。

 そして、また、ある日のこと、バルナバ君がちいろば君のところにやってきました。
「今度、アルボーンさんっていうすごいオルガンがうちの教会にやってくるそうだよ。」
「どんな、オルガンさんなの?」

「なんでも、ドイツの伝統的なパイプオルガンの音を出せる賜物があるそうだよ。」

「ふーん、それは楽しみだね。早くお会いしたいね。」

「そうだね。」

 しかし、ある一つのことがちいろば君には心配でした。
「でも、そうしたら、礼拝堂のエレクトーンおばさんはどうなるのかな?」
 その日以来、ちいろば君には
エレクトーンおばさんのことが気がかりになりました。

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