「バルナバ君、どうして泣いてるの?」
「だって、僕が原因で、一人の兄弟をつまづかせてしまったんだもの。そして、どうしたらいいかわからないから、神様にお祈りしてたんだ。」

 ちいろば君ははたと気づきました。悪いのは自分の方だと。
「バルナバ君、君は全然悪くないよ。悪いのは僕の方だよ。君の賜物を考えれば、倉吉には君が行くのが当たり前なんだ。それなのに、僕としたことが・・・。バルナバ君、本当にごめんよ!!」
 ちいろば君と、バルナバ君は抱き合って大声で泣きました。友達になれたことがうれしくてしょうがなかったのです。

 ついに、倉吉のコンサートの日がやってきました。ちいろば君は玄関でデイヴィッヅ・ハープのみんなやバルナバ君たちを見送りました。
「がんばってね。祈ってるから。」
 この日、ちいろば君は、ずっと祈っていました。
「コンサートが祝福されますように。聴いてくださる方が喜びで満たされますように。」
 倉吉のコンサートは祝福でいっぱいのものとなりました。みんな、笑顔で鳥取に帰ってきました。帰りを祈りながらずっと待っていたちいろば君は、みんなの笑顔を見て、
「良かった。祈りが聴かれたんだ。」
と、喜びました。

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