「仕方がないな。今日はあしぶみオルガンさんにお願いしよう。」
 
あしぶみオルガンさんは久しぶりの奉仕でしたが、心を込めて讃美したので、その日の幼稚科の礼拝はとても祝福されたものとなりました。
 礼拝の後、幼稚科の先生は竹中さんに言いました。
「ちいろば君、今日、全然働いてくれなかったんですよ。困ってしまいました。」
「それはいけませんね。」
竹中さんは怒って、ちいろば君のところに行きました。
「ちいろば君、だめじゃないか!! 君は神様にお仕えするって、固く約束したじゃない。どうしてそんな態度をとるんだい。」
ちいろば君はまた、ぽろぽろ涙を流しながら言いました。
「だって・・・だって、おもしろくないんだもん。」
 その様子をバルナバ君は心配そうにのぞいていました。そして、ちいろば君のところに歩み寄りました。
「ちいろば君、ごめんね。君の活躍の場を僕が奪ってしまったんだものね。・・・・・・ 竹中さん、ここは僕に任せて。」
 バルナバ君はずっと、ちいろば君に寄り添っていました。1時間経ち、2時間経ち・・・・・ そして、夜になりました。ずっと、うつむいたままのちいろば君は、ふと、顔を上げました。すると、バルナバ君は静かに祈っていました。ほほには涙が流れたあとがありました。

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