バルナバ君が初めてデイヴィッヅ・ハープのみんなといっしょに讃美をした日のことです。バルナバ君は与えられた賜物をいろいろと披露してくれました。デイヴィッヅ・ハープのみんなは大喜び。!!
「わあ、バルナバ君っていい音だね。」
「いろんな音が出せるんだね。」
 その声はちいろば君のいる多目的室までもれてきました。その歓声を聞くと、ちいろば君はいたたまれなくなりました。そして、涙をぽろぽろ流しながら言うのでした。
「僕だって・・・僕だって、いろいろできるのに。」 

 デイヴィッヅ・ハープといっしょに讃美をする機会はほとんどなくなってしまったちいろば君でしたが、日曜日の教会学校の幼稚科ではとても頼りにされていました。でも、だんだんと気持ちがすさんでいくちいろば君は奉仕に対する情熱が失せていくのでした。
 ある日曜日の幼稚科の礼拝の時、全くやる気をなくしたちいろば君は、音を出すことをやめてしまいました。
「あれっ?スイッチを入れても音が出ない。どうしたのかな?」 
 幼稚科の先生は困ってしまいました。スイッチを入れたり、切ったり、何回かやってみましたが、音は全く出ません。

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