ところが、そんなある日、突然、教会にバルナバ君という、すごい賜物を持ったシンセサイザーがやってきました。倉吉のコンサートのために、竹中さんが招いたのでした。 バルナバ君はちいろば君のところにもあいさつに来ました。 「よろしく、僕、バルナバっていうんだ。この教会で働くためにやってきました。いろいろとお世話になります。」 「あっ、そう。よろしく。」 ちいろば君はなぜか、そっけない返事しかできませんでした。 ちいろば君はある日、竹中さんに尋ねました。 「あのね、バルナバ君が来たんだけど、・・・倉吉に行くのは僕だよね。」 竹中さんは申し訳なさそうに答えました。 「ちいろば君・・・、悪いんだけど、倉吉には・・・バルナバ君の方に行ってもらうよ。」 ちいろば君は真っ青になりました。 「えっ、そんな・・・。バルナバ君は、まだうちの教会に来て間もないんだよ。デイヴィッヅ・ハープのコンサートに参加するのは無理だよ。」 竹中さんは言いました。 「そんなことないよ。バルナバ君はどんな人とでもすぐに仲良く讃美ができるんだ。それにすごい賜物が与えられているんだよ。」 ちいろば君はうつむいたまま、黙ってしまいました。 |
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