「じゃけど、それでいいんだよ。その時、その時に神様がおっしゃることをよく聴いて、忠実に行っていけば、いつも平安でいられる。これからもそうしようと思っとるよ。」
 ちいろば君はこれまで、あしぶみおじいさんとは、ほとんど話をしたことがありませんでした。でも、このたび、話を聴かせてもらって、おじいさんがすばらしい信仰をもっていることがわかったし、自分にもそのような信仰が与えられたいと、心から願ったのでした。

 そして、ちいろば君も一日の大半を祈って過ごすようになりました。祈っていると、神様がいろんなことを教えてくれました。ちいろば君は祈りが大好きになりました。

 ある日、竹中さんが、ちいろば君のことを心配して多目的室にやってきました。
「ちいろば君、最近、出番がほとんどないようだけど、だいじょうぶ?さびしくない?」
「あっ、竹中さん、久しぶり。心配してくれてありがとう。でも、僕はだいじょうぶだよ。今は一日のほとんどを祈って過ごしてるんだ。祈りって本当に楽しいね。」

 竹中さんが久しぶりに会ったちいろば君は、かつて見たことのないような平安につつまれていました。

おわり